大雪の山梨、山崎パンの機転にドライバーも感謝
観測史上まれに見る大雪の影響で多くの車が立ち往生した山梨県中央自動車道で、山崎製パンの配送車運転手が立ち往生して動けない他のドライバーに菓子パンを無料で配ったことがネット上で話題になった。その後、提供を受けた運転手らがツイッターなどで報告。この機転の利いた判断に、現在同社には感謝のメールなどが寄せられているという。
16日、大雪の影響で県内各地の道路が通行止めになったため、多くの配送トラックが立ち往生した。進むことも退くこともできない状況の中、山崎製パンのドライバーが「好きなだけ持って行ってよ」と荷台の菓子パンや食パンを無料で提供。この様子がツイッターを通じて写真付きで拡散されると、多くのネットユーザーから称賛の声が挙がった。
本紙の取材に対し、山崎製パン広報部は「弊社では阪神大震災や東日本大震災の教訓から緊急時に食糧支援を行っており、今回も配送のドライバーから連絡を受け、無料提供を了承した」と回答している。
当時山崎製パンの配送車の真後ろに止まっていたという10トントラックの運転手は「あの大雪の中での食事は大変ありがたい。うちのトラックは食べ物でなく、融雪剤くらいしか積んでなかったのが本当に悔やまれる」と、受け取ったホワイトデニッシュショコラ2個と白いお皿3枚を手に話した。
運転手の機転に感謝の声が寄せられる山崎製パン。現実のアンパンマンとなった運転手について「当社関連の従業員で間違いありません」(広報)と前置きした上で、こう話す。
「どんな人物なのかと問い合わせも多いのですが、個人的な情報は外に出しておらずご了承ください。今回の件は、特にルールで定めたわけではありませんが、これまでも同じような取り組みをやってきました。自社の物流を生かせたと思っています」。東日本大震災でも活躍した同社。緊急時には同様の対応を取ることが徹底されているという。
「(17日だけで)お褒めの言葉も50件以上いただき…」と喜ぶ半面、「長野県や山梨県の取引店に商品が届けられず、ご迷惑をかけている」と大雪で品薄が続く店舗も気遣う。
過酷な環境のなかでの助け合い。なかなかできることではない。
【夕刊フジ 2月18日(火)16時56分配信】