宙のアルバム

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<南アW杯>本田が檄、オランダ戦「今のままでは確実に勝てない」

 【ブルームフォンテーン南アフリカ)安高晋】サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で、「アフリカの雄」カメルーンを降した日本代表。岡田武史監督が言い続けてきた「世界を驚かす」勝利は、金髪の24歳、本田圭佑選手がもたらした。ゴールを決めた後、ゆっくりとベンチに駆け寄り、控え選手の輪に飛び込んだ。「試合に出る出ないは勝負の世界だからしょうがない。でも、みんなで戦ってるんだと示したかった」。いつものビッグマウスに、チームへの思いが加えられていた。

持ち味を見失いかけていた。

W杯直前のイングランドとの強化試合。チームは善戦したが、得意のミドルシュートは影をひそめ、相手との1対1の対決も無意識に避けていた。

 「もっとやれるやろ」

試合終了後、自らに問い掛けた。「攻めてボールを取られても、何かが起こるのはいつもそこから」。強気に全面突破を仕掛けるのが自分の持ち味。飛躍のきっかけとなる移籍先のオランダで体感した「前に出てなんぼ」の強い気持ちが、大舞台の直前によみがえった。

今年3月のバーレーン戦後。岡田監督は横浜で知人と会食し、打ち明けた。「目標とするベスト4へたどり着くには、チームを覚せいさせる何かが必要。中田がいない今、そうなれるのは彼だと思っている」

長く代表を引っ張った中田英寿氏を引き合いに出し、本田選手への熱い期待を示した。得点力不足が深刻になると、攻撃の最前線に抜てき。試合前には「点、取ってこい」と一言だけ声を掛けて送り出した。

試合後の会見場に勝利チームの代表として並んだのは、その岡田監督と本田選手だった。「力を信じて守れたのが大きかった」。本田選手は自らの得点を振り返るより先に、守備陣をねぎらった。

とはいえ、本田節も健在だ。「オランダはこんなに甘くない。プレーの精度を上げないと、今のままでは確実に勝てない」。2戦目のオランダ戦は19日。自分や周囲を変えるため、あえて厳しい言葉を口にする。最後はビッグマウスで締めた。「それでもチームが成長すれば、不可能はない」

 日本サポーターも勝利に酔いしれた。愛知県一宮市から駆け付けた森島正浩さん(42)は本田選手のゴールに「もう最高。カメルーンの応援には圧倒されたが、日本のサポーターも思ったより多かった。それにしてもまさか勝てるとは」と興奮。スタジアム周辺でタクシーを運転していた男性は「ビッグサプライズだ。アフリカ人はみんなそう思ってるよ」と驚いていた。


【日本・カメルーン】前半、GKと競り合う本田(右)=南アフリカブルームフォンテーンのフリーステート競技場

6月15日 15時56分配信(毎日新聞